テレアポ対話に正解なんてない!? 最適解を得るための「勉強会」をしよう【第5章 マネジメント力③】

対話に正解なんてない!? 最適解を得るための「勉強会」をしよう

電話営業・テレアポにおける「マネジメント」とは』でお話ししましたとおり、あらかじめきちんと電話営業・テレアポの通話内容を記録し、データ化しておけば、問題点は明らかになります。また、『すぐに使える! 電話営業・テレアポで即効性を発揮する“2つの手法”』では、即効性のある手法を通じて成果を上げつつ、課題や問題点を抽出できること。そして、それらをチーム全体で共有することの大切さにもふれました。

では、問題点を前にして、具体的にどういった対応をすれば良いのでしょうか。それが、今回お話する「勉強会」です。勉強会では、トークの問題点や見込みの選別などについてみんなで話し合い、より適切な対応策を議論します。ただ、なぜ“研修”ではなく“勉強会”なのでしょうか。実は、研修には構造的な問題点があるのです。(前回記事を参照)」の概要とポイントを解説します。この公式が必要とされる背景とその全体像、各ステップにおいて実践すべき事項を具体的に紹介します。

正解を教えようとすると続かなくなる

多くの会社で「研修=先生が正解を教える」という構図で捉えられています。ここでの先生は、上司であるマネージャーやトップセールスマン、もしくは外部講師です。研修で教え込もうとしているのは、営業トークの「正解」です。学校の試験勉強と同じですね。問題があり、その答えがある。先生、あるいは講師は、その答えを導く方法を生徒に教える。ただし、そこで大きな問題が発生します。それは、対話に正解などないということです。

それはマネージャーの方も、ご存知のことと思います。相手が異なればトークの内容を変える必要がありますし、アポイントの取り方やクロージングのタイミングも状況に応じてさまざまです。活躍している営業パーソンは、経験を通して理解しているはずです。加えて、正解を教える構図をとるほど、マネージャーは研修を実施することを避ける傾向にあります。どんなに優秀な営業パーソンでも、現場では悩みながら営業活動を行っているはず。それなのに、研修という場では正解を教えなければならない。そのような負荷を避けたいと思うのは、ある意味当然のことでしょう。

また、教わる側も正解を与えられる構図が続くと、だんだん思考停止になっていき、少しでも状況がかわると対応できなくなるのも大きな問題です。それが、正解を教えようとする営業“研修”をオススメしない理由です。営業の研修を継続して行えない理由は、「講師がいない」「営業には正解がない」という構造的な欠陥があるからなのです。ではどうすればいいのか?ヒントは、営業に正解はないのですが、最適解はあります。そこで、研修ではなく“勉強会”の実施をご提案いたします。

みんなで最適解を考える勉強会をしよう!

研修と勉強会の違いは、研修が「正解を教える」ものであるのに対し、勉強会は「みんなで最適解を考える」というものであること。その違いがもたらす効果は大きく、研修と比べて“継続しやすい”などの特徴があります。 取り上げるテーマは色々あると思いますが、まず勉強会ですることは、次の一点です。  →「見込みとの対話の録音を聴いて、次にどうやってかけるか?」をみんなで考える。具体的なポイントは次のとおりです。

・カリスマ講師はいらない

よく耳にする研修を継続的に行えない主な理由は、「教えられる優秀な講師が社内にいない」ことです。また仮に社外でカリスマ講師を見つけたとしても、定期的に研修を依頼できて、自社の実情に即した研修を行ってもらうのは、コストの面でもかなりハードルが高そうです。その点、勉強会で必要なのは“講師”ではなく“司会”です。勉強会で行うのは、見込み客とのトークを聞いて、次の電話をどうかけるか意見を出しあうこと。ですので、誰にでもできる司会で十分なのです。

・憶測、思い込みよりも「事実ベース」で

また、研修では、抽象的な一般論のテーマを取り上げることが多いです。これは、たしかに研修としてはやりやすいということはありますが、その反面、それぞれの営業マンが自分のかかえている見込み客の状況に応じて応用しなければならないという困難があります。さらに、研修は講師の個人的な勘や経験をベースに憶測で行われるケースが多いです。「こういう見込みには、このようなトークをすればアポイントがとれる“だろう”」。「見込み客がこういった反応を示したら、このようにクロージングすると成約に至る“だろう」。しかし、現実の対話は、顧客の反応も様々であり、その営業マンの対話のパターンもそれぞれ違います。

勉強会で取り上げるのは、勘や経験ではなく、録音されたトーク(事実ベース)です。個別の対話において事実ベースで対策を検討することにより、確実に次につなげることができます。また、人によって学んだことの生かし方が異なるなどの影響も少なくてすみます。

勉強会の進め方

では、具体的な勉強会の進め方についてご紹介しましょう。まずは準備です。

  • 準備
  • 日程調整
  • 参加者への呼びかけ
  • 司会者の決定
  • 音声の準備(フィードフォアード、一番若手の方の音声を抽出する)

勉強会の開催が決まれば、まずは日程調整を行い、参加者への呼びかけをします。特別な事情がある場合を除いては、全員参加が基本です。司会は持ち回り制にするなど、あらかじめ決めておきましょう。勉強会で使用する音声(電話営業・テレアポのトークを録音したもの)については、若手のものを活用する方が、課題や問題点がたくさん抽出できてやりやすいはずです。

また、見込み確認の音声の選び方については、録音の後ろから聞いていくことをオススメします。最初から聞いて結局見込みにならないと分かれば、その時間は無駄になってしまいます。見込みがどうかを判断したのちに、トーク全体を吟味すると効率的です。

  1. 司会者による音声の概要説明
  2. 音声を流す
  3. それぞれ意見を述べる(2つ褒め、1つフィードバック)
  4. まとめ
  5. 次回開催日・テーマの決定、告知

まず、流す音声の概要を司会者が説明します。最低でも、「いつ」「誰が」「誰に」電話営業をしているかという情報はあらかじめ開示しておいた方がスムーズです。みんなで音声を聞いたら、それぞれに意見を述べてもらいます。その際のポイントは「2つ褒め、1つフィードバック」すること。電話の内容に対して、駄目出しの連発だけで終わるのは、やめましょう。大切なのは、「自分だったら次からどうかけるか?」という前向きな視点です。

できれば、フィードバックをする時のいいまわしも決めてしまうことをオススメします。「しいて言うならば~  ◯◯と言ったほうが良いかと私は感じました」など、相手に配慮する言い回しで、かつあくまで一つの意見であることが重要です。継続するためには、みんなの知恵を集めて最適解を共有して、その学びが毎回あるということが大切となります。

言うまでもなく、営業マンのモチベーション維持にもこれ以上の施策はないと思います。フィードバックが終わったら、最後に司会者が内容をまとめます。どのような学びがあったのか、次の電話営業にどのように生かせるのかを確認しましょう。電話をかけた当事者に関しては、次の電話営業で実践し、その内容を報告することも忘れないようにしたいですね。

最後に、次回の開催日とテーマを決め、告知して終了です。

勉強会のコツ

最後に、勉強会のコツについて簡単にご紹介しましょう。

  • ダメ出しはない
  • 定例ミーティングにする(1周間、60分~目安)
  • たくさんの音声を聞こうとしない
  • 定着するまでテーマを継続させる

そもそも勉強会の開催は新しい試みです。定例会にするには、なるべくダメ出しだけで終わらないことが大切です。気持ちよく行えて、そしてみんなが意義のあるものだと認識できる工夫をしましょう。また、無理をすると続かないので、1度にたくさんの音声を聞くのも避けるべきです。慣れるまではひとつの音声を何度も聞く方が、上達するためには有効です。知識が定着するまで、テーマを継続させることも意識してください。

目安としては、1周間に60分~。習慣になれば、準備も勉強会そのものも苦にならなくなるはずです。議論が活発になり、みんながそれぞれの実力を高められる機会になれば、むしろ勉強会は楽しいものとなるでしょう。外部研修ともなれば、講師の予約や場所のセッティングなど、さまざまな調整が必要となります。しかし、勉強会は社内の調整だけで行えます。司会ができる人がいればどんな会社でもすぐに取りかかれます。ぜひ、社内でのお取り組みを実践して頂ければと思います。

マネジメントのポイント「事実ベース」

ここまでの記事をお読みになり、たびたび登場してきた“ある言葉”があります。お気づきでしょうか。それは「事実ベース」です。実は、事実ベースこそ、電話営業・テレアポのマネジメントに欠かせない重要なポイントなのです。

次回の記事では、その事実ベースについて解説します。なぜ電話営業・テレアポには事実ベースが欠かせないのか。事実ベースを営業活動に生かすにはどうすればいいのか。それらの点について掘り下げていきましょう。

営業活動全体にも応用できる考え方なので、ぜひお読み頂ければと思います。

経験談では伝わらない!? すべての営業活動に共通する最重要項目「事実ベースの確認」

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