テレアポ 電話営業はトーク力でなく「対話力」で感化する・・・【第3章 対話力②】
営業での「対話」は、説得すべきか?感化すべきか?
天才型営業パーソンが無意識に行っている共通点とは!?
書店に行ってみると、営業本といえば、「特定の業界」の「特定の時代」のトップセールスマンの事例や経験をもとにしたノウハウが語られてきました。
誰にも教えられていないのに、かなりの確率でアポイントや来場誘致、資料請求、さらには契約成立といった一定の成果をコンスタントに出せる…
確かに一定の割合でこういったうらやましい方は実在します。「天才型営業マンのトークを真似するのは難しい–」。
ただし、再現するのが難しく、天才型営業マンがマネージャーになったからといって、必ずしも部下が育つわけではないというのは、よく聞くお話です。
これは語り尽くされた感がありながらも、解決がなかなかされていないテーマかと思います。
大事なのは、「どうすれば再現性のある手法として確立できるか?」を考えることです。
今回はこの点に迫っていきたいと思います。
まずは、天才型営業パーソンによる誘導トークの特性を確認してきましょう。
天才型営業パーソンで最も多い「誘導型トーク」は、誘導感を人間力でフォローする高度なスキル。押しの強さだけを真似するのが最も危険!
天才型営業パーソンにもいろいろタイプはあるのですが、まず、特徴的に多いのは誘導力が強いタイプの営業パーソンです。端的に言えば、押しが強いタイプですね。 つまり、「資料をご覧いただけますか?」「アポイントをいただけませんか?」 「展示会にお越しいただけますか?」というように、お客さまに何らかのアクションを起こしていただくための誘導を積極的に仕掛けていく。
注目すべきは、その強さよりも、愛嬌やお客さまに愛される特有のキャラクター、あるいは情緒的な配慮がおのずとできるといった個性と強く結びついたスキルが際立っている点です。
天才型の人はこれを無意識に行っていますが、最大のポイントは、その人の個性がベースとなっているので、ただ真似するだけでは他の人での再現が難しいということです。
特に新人の方が注意すべきは、この押しの強さだけを電話営業でマネをすると、「お客様に嫌われるだけ」ということになりがちなことです。
悩ましいのは、これを無意識にやっていること。天才型営業パーソンも、言語化した説明で部下に教えることは難しい、ということが問題になります。
天才型営業パーソンのやり方をそのままマネできない、教えてもらえることもできないとするならば、どうすればいいのか?
実は、多くの天才型営業パーソンに共通しているのは、最後はお客様を「感化」しているということなのです。
強力な個性に頼らなくても、「感化」するステップを身に付ければ、確率論的にお客さまを自然に誘導できるようになっていきます。
電話営業は、「説得」よりも「感化」!
感化の説明の前に理解を深める上で、「説得」について触れておきたいと思います。
「感化」と「説得」はどう違うのでしょうか?
分かりやすくした定義を比較すると、
説得とは、「よく話して、相手に納得させること」
感化とは、「考え方や行動に影響を与えて自然に、自らそれを変え(誘導)させること」
感化にあって、説得にないもの、それは「自然さ」、「自主性」ということになります。
面談において説得は機能しやすいですが、電話はいつでもお客さまから切ることができる上に五感のうち、使えるのは声だけ——。この状況においては、感化するスタンスの方がもっと幅広く支持を得られるということになります。
「お客さまを感化する3ステップ」
感化には、3つのステップがあります。 それは、同調 → 共感 → 誘導
詳しい解説は10回でご説明しますが、ここでは大きな流れを説明しておきたいと思います。
まず、お客さまは我々が電話をする1秒前まで我々の商品のことを考えていない・・・こちらから調子を合わせていく必要があります。それが「同調」です。それは声の調子から語りかけの言葉合わせまで含みます。同調の目的は、聞く姿勢になっていただくことになります。
次に商品に対する「共感」を生み出す。先ほどの同調で2分間話を聞いてもらえる姿勢を手に入れていれば、共感のチャンスは広がります。ここでは商品のメリットを連発するわけではありません。お客さまに話を聞いていただける雰囲気をつくり、徐々に「そういうサービスもありなのかな」「そういうサービスも検討した方が良いのかな」とお客さまに気付いていってもらえるような話し方が重要になるのです。
「誘導」に関して一番の理想は、テクニックを使わないということになります。
誘導の内容にもよりますが、共感が70%ぐらいに高まっていれば、誘導は成功する確率が高くなります。
つまり、無理に誘導しなくとも「その話聞かせてよ」「どうやって購入すればいいの?」とお客さまの側から言っていただくイメージを持つことが重要です。
もちろん、それはあえて点数をつけるなら90点以上の電話営業かもしれません。
実際は、60点のままエンディングを迎えて誘導テクニック使わなければならない時もあります。その方法は次回お伝えしていきます。
たしかに、電話営業であるかぎりクロージングへの「誘導」は必須です。とはいえ、初めから誘導ばかりしていると嫌われてしまう。それを個性でフォローすることが難しいのであれば、同調、共感を意識したステップが確実ということになります。
そこで次回は、お客さまを感化する3ステップの具体的な実践法と、1件1件の電話営業の精度をより高める上で重要なポイントを解説していきます。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また、電話営業の鍵となる「対話力」をどのように磨くべきかをまとめたチェックシートを下記ボタンから無料ダウンロードができます。こちらもよろしければぜひご覧ください。
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