テレアポすぐに使える!電話営業・テレアポで即効性を発揮する“2つの手法”【第5章 マネジメント力②】
すぐに使える! 電話営業・テレアポで即効性を発揮する“2つの手法”
電話営業は“即効性”が大事
営業活動の目的は結果を出すこと。しかも、できるだけ短時間でより多くの成果を上げることが望ましい。そう考えると、必要なのは“即効性”ということになります。『電話営業・テレアポにおけるマネジメントとは』でご紹介した「プロセスマネジメント」は、営業活動の工程に着目し、長期的に成果を上げるというものでした。ただそれだけではなく、上手に活用することで即効性のある手法としても応用することが可能です。
今回ご紹介するのは、プロセスマネジメントを応用した次の2つのテクニックです。フィードフォアード・見込みの引き上げ
フィードフォアード
一般的によく聞かれるのは「フィードバック」という言葉でしょう。しかし、こと電話営業・テレアポでは、フィードバックをしていたのでは遅いのです。営業パーソンは、振り返って学ぶ前に、目の前の顧客を取りこぼさないように対処しなければなりません。そこで重要なのは「フィードフォワード」という発想です。フィードフォワードとは、営業パーソンが見込み客に重要な電話をかける“直前”に、“個別”に、マネージャーがアドバイスをすることです。
キーワードは「直前」と「個別」です。過去の営業活動をフィードバックして次に生かすのではなく、マネージャーが営業パーソンに対して直前に個別に指導することで、次にかける電話からアドバイスを生かせるのです。フィードフォワードを実践することで、営業パーソンという木が成長するのを待たずして、すぐに果実を収穫することが可能となります。これが、電話営業・テレアポで即効性を発揮する1つの目の手法です。フィードフォワードの具体的な手順は、次のとおりです。
- Step1.朝の段階で、今日電話をかける見込み客の状況を確認する
- Step2.見込み客がどのような段階なのか、前回のトーク内容にまで踏み込んで分析する
- Step3.どういったトークを展開するべきか、「直前」に「個別」にアドバイスする
たとえば、前回の電話でお客さまから「御社の会社の業績はどうなの?」と聞かれていたとします。この先、取引をする可能性があるのなら、気になることでしょう。当然、これからかける電話では、自社の業績について説明しなければなりません。しかし、もしその答えを用意していなければ、スムーズにアポイントがとれない可能性があります。そればかりか、疑問点を残したままクロージングすることになり、せっかくの見込みを取りこぼしてしまうかもしれません。そうしたミスをなくすために、電話をかける直前に指導する。直前が重要なのは、一週間後にかける電話のフィードフォアードは忘れてしまうかもしれませんが、これからかけようとする見込みであれば集中力も高まります。そうすることで、取りこぼしがなくなります。 また、それぞれ見込み客の状況は異なりますので、抽象的なアドバイスは成果がでるまで膨大な時間がかかります。指導に即効性を求めるのであれば、アドバイスは個別に具体的に行わなければなりません。
このとき、必要に応じてアポイントの取り方やクロージング話法に関しても振り返っておくと良いでしょう。営業力アップにつながりますし、それでアポイントが取れれば成功体験も得られます。つまり、営業パーソンの“自信”も醸成できるのです。マネージャー側の注意点としては、見込み客の情報を営業パーソンから聞くのではなく、録音した音声を聞いて判断するということ。つまり、“事実ベース”で確認するのです。インプットが正しくなければアウトプットも正しくなりません。
見込みの引き上げ
もうひとつの手法は「見込みの引き上げ」です。先ほどのフィードフォワードで見込みを確認する。それで、本人がかけるのが一番いいのですが、部下に不安がある、あるいは自信がないという場合には、マネージャーの方がかけたほうが、さらに取りこぼしがなくなります。「マネージャーや上司が、担当の営業パーソンに“代わって”電話をかける」こと、つまり見込み客を“引き上げる”のです。もちろん、すべての見込み客を、マネージャーや上司が代わることはできません。効率が悪いですし、営業パーソンも育たないでしょう。そうではなく、「担当者にはちょっと荷が重いな」と判断した場合にだけ、マネージャーなり上司が代わるのです。
見込みの引き上げの際にも、事実ベース(音声)を元に判断するようにしてください。担当者から「ちょっと自分には難しそうですね」と言われて代わるのではなく、音声を聞き、マネージャーが判断することが大切です。ここで、見込みの引き上げの手順をまとめておきましょう。次のとおりです。
- Step1.見込み客の状況を事実ベース(音声)で確認する
- Step2.フィードフォワードをしても担当者には難しいと判断したら、マネージャーが代わりに電話をかける
- Step3.自分がかけた音声を確認させることで、リアリティのあるケーススタディとして、音声を部下と共有・指導する
この時、注意してほしいのは「結果を意識しない」ということです。いくらマネージャーや上司が電話をかけたからといって、必ず成功するとは限りません。重要なのは、代わって電話をかける行動そのものなのです。最善をつくしたのなら、それで見込みの引き上げは達成です。また、電話営業・テレアポが終わったら、その内容を担当者と共有することも忘れないようにしましょう。次の営業活動に生かせるはずです。見込みの引き上げは、アポイントの獲得だけでなく、商談にも活用できます。会話の内容を聞けば、相手のことも理解できるので、無理なく商談を進められるでしょう。また、部下に対してクロージングの手法を見学させるのも効果的です。
2つの手法で一番成長できるのはマネージャー
電話営業・テレアポで即効性を発揮する2つの手法。いかがでしたでしょうか。最後に強調しておきたいのは、いずれの手法にも共通している次の2つのポイントです。「事実ベース」が大事、2つの手法はマネージャーにも好影響をもたらす事実ベースとは、部下からの説明をそのまま鵜呑みにするのではなく、実際にトークの内容を聞いて判断するということです。インプットが正しくなければアウトプットも正しくなりません。(事実ベースの大切さについては、こちらの記事で詳しく解説しています。)
2つ目の「これらの手法はマネージャーにも好影響をもたらす」については、たとえ上司やマネージャーが電話をかけても、毎回アポイントをとれるわけではなく、その姿勢をみせることがリーダーシップの発揮につながるということが一点。率先して上司が代わることで、部下のモチベーションがアップし、最終的にはチーム力も向上する。それに、そもそも営業を代わって行うこと自体がリーダーとして素晴らしい行動です。そしてもう一点。通常、マネージャーは、自分の営業手法を確立していることがほとんどですが、自分の経験を中心としています。しかし、フィードフォワードや見込みの引き上げを行うことによって、毎回営業ドリルを解いているようなものですから、マネージャー自身がもっとも疑似体験をつんで成長できるのです。
一石五鳥の効果が見込める
「フィードフォワード」と「見込みの引き上げ」で得られる効果は次の5つです。
- 見込みの取りこぼしがなくなる!
- 部下が成長する!
- 部下から尊敬される!
- 自分も成長できる!
- 商談でのクロージング力も向上!
つまり、「フィードフォワード」「見込みの引き上げ」という一連の施策によって、“一石五鳥”の効果が得られるのです。
商談でのクロージング力が上がる点はどういうことかというと、商談にはマネージャーがいくケースが多いです。アポイント取得からの流れや商談相手の雰囲気、論点等がわかっている場合のほうが初回訪問が成功しやすいことを意味します。くり返しになりますが、フィードフォワードも見込みの引き上げも、行うことに意味があります。アポイントや契約に至ったかどうかも大事ですが、行うこと自体に大きな意義があるのです。それが、部下の成長を促し、自身のスキルアップにもつながります。
フィードバックは「勉強会」で
フィードフォワードおよび見込みの引き上げで獲得した学びは、ぜひチーム全体で共有しましょう。そのためには、定期的に「勉強会」を行うことをオススメします。
もっとも、勉強会は「研修」とは異なります。研修は先生が正解を教えるスタイルです。これは社内に教え続けられる先生がいないと長続きしないことが多いのです。そのため、正解のない営業の最適解を求める場には適していません。では、具体的にどのような勉強会を行えば良いのでしょうか。次回の記事でご説明いたします。『対話に正解なんてない!? 最適解を得るための「勉強会」をしよう』
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